kobayashi takefumi

キーボーディスト深町純さんが亡くなった。

中学生の時に通っていたドラム教室の先生が最初にカセットに取ってくれたのが
チックコリアのライブと「深町純 ＆ The New York All Stars Live」だった。
日本ではまだそれほど知名度の高くなかったニューヨークの凄腕ミュージシャン達を集めて行ったライブ盤。
これを機に日本でニューヨーク系クロスオーバー音楽が一気に広まったそうだ。
リアルタイムではなかったが、初めて聴いた刺激的なニューヨークのミュージシャンの演奏だった。

深町純さんが祐天寺につくったFJ'sというお店に
2008年2月からちょくちょく出させていただくことになった。
深町さんは僕にとっては、まさに「伝説の巨人」的な人だったが、
初めてお店に行った時から、若輩の私たちを気さくにかまってくれた。
その後、いろんなメンバーで演奏をさせてもらったが、
リハーサルの間はいつもカウンターから温かく見ていてくれた。
そのことでこちらは緊張感はあるが、
逆に、ここではやりたいと思ったことは
何をやってもよいのだという安心感があった。

直接褒められたことはあまりなかったと思うが、
僕のいないところで、
「小林君は良いね」と言っていたということを聞いた。
その時、僕は本当に救われた気がした。

深町純さんは、
好き嫌いをはっきりと言い、頑固そうだが、
とても純粋で、真摯で、美しい人だった。

これから、祐天寺のFJ'sで、僕の考えたこと、音楽をいろいろとやらせてもらって、
深町さんに見てもらいたいと思っていた。

とても寂しい思いでいっぱいだ。